放って置くと危険!下肢静脈瘤発生のメカニズムとセルフケア

40代以上の女性に多い下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)。放って置くと命を失ってしまう危険性もある怖い症状です。平成24年の15歳以上の男女を対象とした調査では43%に下肢静脈瘤が認められています。このうち手術の対象となる伏在(ふくざい)型静脈瘤は8.7%。人数を計算すると下肢静脈瘤患者は約4,800万人、伏在型静脈瘤患者は約970万人いると推定されます。今回は、静脈瘤発生のメカニズムと予防法について書いていこうと思います。

 

 

下肢静脈瘤ってなんだ?

下肢の静脈がふくれてコブのようになる病気です。下肢は「脚」のことです。「瘤(りゅう)」とはコブのことで、血管が部分的にふくれて盛り上がっている状態です。足の静脈は重力に逆らって血液を上に向けて運ばなくてはならないため、血液の逆流を防ぐための弁(逆流防止弁)がついています。下肢静脈瘤はこの逆流防止弁が壊れておこります。

逆流防止便が破壊されることで血液が心臓に戻りにくくなるので、じっとしていると足に血がたまり、足がむくんだり、だるくなったりします。この時、血管の内側の壁は血液の圧力によって引き伸ばされた状態になっています。部分的に引き伸ばされてコブのようになったり、全体的に太くなってヘビのようにうねった状態になっている場合があります。悪化すると湿疹や肌に色が沈着したり、潰瘍などの皮膚炎がおこります。これを一次性静脈瘤と言います。

 

 

激しい胸の痛みが出ることも!?

また、深部の静脈に血栓ができた結果、表面の静脈が拡張する「二次性静脈瘤」と呼ばれるものがあります。長時間体を動かせない場合、深部の血管に血栓ができてしまうことで血管が詰まり、代わりに表面の血管がふくらんでしまう症状です。「エコノミークラス症候群」の原因もこの血栓です。足の深部静脈でできた血栓が肺まで流れてしまい、強い胸の痛みが生じる場合があり、場合によっては命が奪われる危険性もあります。

 

40代以上の女性に静脈瘤が多い理由とは?

女性の場合、妊娠、出産によって黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で血管が拡張し、静脈が広がります。妊娠中は黄体ホルモンが活発に分泌されて血中濃度が高くなり、その結果、下肢に流れる血流量が増加し、静脈の弁を壊してしまうことがあります。つまり、女性の場合に多いのは、じっとして血流が滞って起こる静脈瘤が起こるのではなく、出産妊娠によって血流量が増えることで発症するという特徴があるのです。その他の理由として女性の方が筋力が弱く、血液を心臓に送り返すためのふくらはぎの筋肉量が少なく、ポンプ機能が弱いこと。男性に比べ肥満傾向があることも原因しています。

静脈瘤になりにくいのは、適度な運動を行って肥満や高血圧のない人、出産歴のない女性、同じ場所に立ちっぱなしや座りっぱなしの職業でない人ということになります。

 

自分で出来る下肢静脈瘤セルフケア方法

一次性下肢静脈瘤の段階では悪性の病気ではないため、自覚症状が少なく、放置してしまうケースが少なくありません。しかし血液の逆流は妊娠による一時的なものを除き、元には戻りません。また逆流弁も一度壊れてしまうと治りません。足がボコボコして見た目が気になりスカートが履けないなど日常生活にも影響してきますので、ここでは比較的軽い静脈瘤の方や、すでに静脈瘤の治療を受けたけれども症状の残る方のためのセルフケア方法を紹介します。

 

筋ポンプ機能が低下している状態(筋肉の伸び縮みがない状態)にあると、血液が心臓方向に戻ることができず滞り血流が悪くなるので、静脈瘤の予防にはふくらはぎのポンプ機能を向上させることが大切です。そこでお勧めなのがふくらはぎ筋肉強化体操です。

 

<ふくらはぎ筋肉強化体操のやり方>

1.  椅子にすわって両足を垂直に上げます。

2.  その状態で足首をまげたり伸ばしたりします。

はじめはゆっくり、徐々に速くしていき、30~60秒続けましょう。

3.足首をのばし、バタ足のようにして左右交互に上下に振ります

30~60秒続け、最後に足全体に力をこめて一気に力をぬきます。

 

これを朝晩2回、行う事をお勧めします。デスクワークの多い方に発生しやすい下肢静脈瘤。

この体操なら、デスクの下でも出来ますよね。

 

静脈瘤は一度発症してしまうと完治が難しい症状です。だから静脈瘤についての正しい知識を持って、どのように対策すればよいか考えることが大切です。まずは自分で出来るケアから始めましょう!

著者プロフィール

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湯山卓
整体師としてトップクラスの施術実績を誇り、様々な症状の方に対応してきました。施術現場で培った経験を活かし、来院者さんのリアルな声を記事にしてお届するよう心掛けています。

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