
女性の悩み
産前産後のママに必要な体のケアとは?
妊娠中のプレママも産後のお母さんも、大切なお子さんを第一に想い、考えて日々のケアをしているのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください!お子さんのためを想うその気持ち、ご自身にもちゃんと向けていますか?ご自分の不調やつらさを我慢したり、疲れていることに気づきもしないくらい、ママの体を雑に扱ってはいませんか?
お子さんの年齢と同じだけの期間、ママの体のケアを怠っている、という方は少なくありません。
ですが、ママの体はとってもデリケートです。妊娠中、出産前後、産後すぐ、そして子育て中…。それぞれの時期に合った必要なケアをしてママの体を守ることは、心身共に健康な状態で子育てができるということ。つまり、お子さんにとって一番良い影響を与えることができるということなのです。
では、ママに必要なケアとはどんなものなのでしょうか?時期別に確認してみましょう。
◆妊娠中ってどうなるの?痛みやつらい状態を緩和する体のケアって?◆
妊娠初期に多いトラブルにつわりがあります。つわり症状が現れ、病院に行ったことで妊娠を知る方もいらっしゃいます。
このつわり、症状も出かたも本当に人によって様々です。いつも通りで全くなんともなかった、なんてうらやましい方もいれば、入院が必要になる方もいらっしゃるので、あなどってはいけません。
つわりのよくある症状としては、
・腰、鼠径部、股関節などの痛み
・便秘
・吐き気
・胃の圧迫感
・肩こり
・つかれ
・むくみ
などがあります。
他にも、ご飯の炊ける匂いで嘔吐する、唾液がたくさん出て飲み込むことができない、なんて経験のない方にはピンと来ないようなものまで様々です。
妊娠中期頃になるにつれて、つわりは落ち着いてくる場合が多いのですが、中には「分娩台でも吐いていた」なんて人もいるくらいですので、こればかりは早めに落ち着くことを祈るよりありません。
それでも少しずつつわりが落ち着いてくる頃には、赤ちゃんが成長し、お腹の大きさが目立ってきます。もちろん見た目の大きさだけでなく重さも増えますので、当然ママの体にかかる負担も比例して大きくなります。
お腹が大きくなってきた妊婦さんの重心は体の前方にかかるようになるため、前のめりに倒れまいと腰を過度に反らせて「出っ尻」の状態でバランスを保とうとします。こんな姿勢では当然腰痛になったり、足のつりやむくみなどが出てきてもおかしくありません。
けれどもこのような不快な症状があっても、プレママの多くは「妊娠中」ということで、マッサージ等を断られたり、服薬に抵抗を感じる方が多いのが現状です。その結果、つらくても我慢するしかなく、赤ちゃんがお腹にいる限られた期間をつらい思いで過ごす方も少なくありません。
東葉コンディショニングでは、妊婦さんはもちろん、生まれたての赤ちゃんから骨粗鬆症をお持ちのご年配の方まで対応できる優しい施術で、妊娠中の腰痛や股関節痛をはじめとする、妊婦さん特有の不快な症状に対応していきます。またお腹が大きくなるとそれだけで苦しかったり、痛みで寝返りができなかったり、など様々な制限が出てきますが、どんな姿勢でも施術を受けられますので、「うつ伏せになれないから・・・」などと不安になる必要もありません。
妊娠中に大きく動く骨盤を調整することで腰痛が緩和することも考えられますし、重くなったお腹を支えるために緊張した全身の筋肉をゆったり緩めることで、ツワリの軽減効果も期待できるのです。
また、この時期に大切なのは「骨盤の歪み」を整えておくこと。
多くの方は産後の骨盤の歪みについては気にされていますが、実は、赤ちゃんがお腹にいるプレママの時期にこそ、歪みを整えておくことがとても重要なのです。
骨盤に歪みがあると、当然、その中にある内臓(子宮)は正しい場所に位置することができず、内臓(子宮)にも歪みが出てしまいます。
お母さんのお腹の中でどんどん育つ赤ちゃんにとって、歪みのある子宮は窮屈そうですよね。
妊娠中に骨盤を整えるメリットは、赤ちゃんの居心地が良くなるだけでなく、出産時のお母さんにもあります。
出産時に赤ちゃんを産むために広がるお母さんの骨盤。歪みがなく、滑らかに広がっていくのと、歪んでいる状態をギシギシさせながら広げていくのでは、どちらが良い出産を迎えられるかは・・・、想像がつくと思います。
妊娠後期になると、いよいよお腹は大きく重くなり、出産に向けた準備がはじまります。
この時期に考えられるトラブルに切迫早産や早産があり、それには現代社会ならではの原因があることも!
掃除機や洗濯機、車などが発達した現代では、自分がカラダを使わなくても機械が何でもしてくれます。そのため筋力不足の妊婦さんが増えており、成長する赤ちゃんの重さを支えるために必要な筋力が足りずに切迫早産や早産に繋がるケースが増えているそうです。
また、腰の反りが強いと骨盤とその内部の子宮は前側に傾くため、子宮の出口付近(子宮頚管)から産道(膣)にかけてが大きな曲り道になってしまいます。赤ちゃんは分娩時にカラダを回旋させながら産道を通りますが、産道が曲がっていては、スムーズに進めません。場合によっては赤ちゃんの頭がお母さんの尾骨に引っかかるなど、思うように分娩が進まなくなってしまう可能性もあるのです!
妊娠中こそカラダを整え、必要に応じて骨盤の動きを安定させるなどのケアをすることは、ママと赤ちゃんの安全を守ることでもあるのですね。
◆産後は何に気をつけるべき?正しい授乳の姿勢って?
妊娠したママの骨盤は、妊娠初期からリラキシンというホルモンが分泌され、赤ちゃんの成長や出産に向けて靭帯がゆるむようになっています。
出産を終えるとリラキシンの分泌は止まり、これ以上はないところまで広がった骨盤はママの身体の回復と共に少しずつ元に戻っていきます。
では赤ちゃんが生まれたら、腰痛などのカラダの不調はなくなるのでしょうか?
いいえ、実はそう簡単なものではないのです。
まず、出産のために広がった骨盤は元のように締まってはいきますが、必ずしも左右対称で歪みのないキレイな状態になるわけではない、ということ。
場合によっては妊娠中よりも痛みや不調が強まることも考えられるのです。
そして次に、生活面にも大きく関係してきます。
産後、ママの生活は赤ちゃん中心のものとなり、抱っこや3時間ごとの慣れない姿勢での授乳が続きます。
中でも授乳の姿勢は、赤ちゃんが小さければ小さい程、カラダを丸めてしまいがちです。背中を丸めた、いわゆる「猫背」の状態での授乳は、肩や首のコリや腰痛を悪化させたり、めまいや頭痛を引き起こしたりする事もあるのです。
このような、ママの体を酷使する生活が昼夜問わず続くのが産後です。
そのため、猫背をスッキリ伸ばす施術を受けることはもちろん、セルフストレッチやゆっくり湯船につかって疲労を残さないようにする、睡眠をしっかりとる、栄養バランスの良い食事や多めの水分摂取など、必要なケアや気を付けたい事は数多くあります。
これらの実行には、少しでもママの負担を減らす為に周りの人に助けを求めることも大切ですが、ちょっと自分で工夫し対応することもできるのです。
例えば、授乳中の姿勢。あなたはどのようにしていますか?
イスやソファに腰かけた自分の膝の上にクッションを乗せ、その上に抱っこした赤ちゃんのお尻を乗せて授乳をしているのではないでしょうか。
「それのどこが間違ってるの?」という声が聞こえてきそうですが、これ自体は間違いではありません。問題は「クッションの数」です。
多くの方は授乳用クッションや手ごろなものを使ってはいるものの、高さが全く足りず、背中を丸めてしまいがちです。
赤ちゃんが小さい程、おっぱいと赤ちゃんの距離は遠くなる為、クッションの数(厚み)はたくさん必要になります。でも、授乳用クッションを1つ膝の上に置いたくらいでは赤ちゃんはまだまだおっぱいまで届きません(もちろん、ママの体格や赤ちゃんの月齢にもよりますが)。結果、ママは背中を丸めて赤ちゃんを抱え込むような姿勢で授乳するようになってしまうのです。中には高さを補うために足を組んでしまう人も!
もちろん、足を組むのは骨盤が歪んでしまう為、体にとってNGの姿勢ですから、そんなことにならないためにもクッションや毛布などを3つでも4つでも使って底上げしてあげましょう。
そうすることでママはソファやイスに深く腰かけ、ゆったりと座ることができます。
授乳時間は赤ちゃんのお食事の時間だけではなく、ママにとってのリラックスタイムであってほしいので、少しだけ浅めに腰かけて、背もたれにしっかり寄りかかるようにしましょう。ただ、そのまま寄りかかると折角赤ちゃんがおっぱいに近い距離にいるのに背中は丸いままになってしまいます。骨盤が後ろに倒れないようにお尻から腰にかけてと背もたれとの間にバスタオルやクッションをはさむようにします。こうすることで背筋を伸ばしたまま、骨盤から上体がリクライニングできるのです。
余談ですが、「クッションをたくさん使い、ママは背もたれに寄りかかる」をオススメする理由には、赤ちゃんを危険にさらしてしまったという個人的な経験から、声を大にして言いたい、ということもあります。
長男が生後2ヶ月の頃、背中を丸めて夜中にソファで授乳しているうちについウトウトしてしまったのです。おっぱいで顔をふさいでしまい、危うく窒息させてしまうところでしたが、幸いにも苦しいよ!と押し返してくれたため、事なきを得ました。
こういった事故はあまり大きく取り上げられませんが、実際に起こっている事でもあります。ママの体のサポートとしてだけでなく、赤ちゃんの安全のためにも、ぜひ後ろに寄りかかって授乳してくださいね。
授乳タイムがあなたと赤ちゃんの思い出に残る、素晴らしい時間でありますように!
◆子育て中のカラダの痛み… 腰痛・膝痛・・・我慢しても良いことはない!
日に日に大きくなる赤ちゃんは、1歳を迎える頃には体重は10㎏を超える子も増えてきます。あんよが上手になる頃ではあるものの、ママのサポートなしで並んで歩けるようになるのはまだまだ先…。親の意図する方向とは反対に走り出す子を追いかけたり、荷物が多いからといって抱っこをしないわけにはいかない時期ですが、時には泣き叫び暴れる我が子を抱えての移動は、体にとっては相当な負担です。
2歳頃になると、親と手をつなぐのを嫌がり自由に走り回るなど、活発な行動も増えてきます。判断力は低く、興味のあるものに向かって突っ走るのが子どもですから、当然ママは子どもの身の安全を第一に考え、その後を追いかけます。そんな時に腰痛や膝痛があったらどうでしょうか?車道に飛び出す子どもを止められない、人混みの中で見失ってしまう・・・なんてことになりかねません。そんなことにならなくても体に痛みや不調がある状態では、抱っこはもちろん買った荷物を持つにも台所に立つにも、生活全般に支障が出てしまいます。思うように動けなかったり家事が進まなかったりすればイライラもするでしょう。通常なら笑ってスルーできることにもトゲトゲした対応をしてしまうかもしれません。ママの体のケアが足りないばかりに、子どもへの対応がうまくいかなくなってしまうなんて、こんなに悲しいことはありませんよね。
◆さよなら腰痛!痛みや悩みを解決するストレッチって?
妊娠中、産後、子育て中のママがいかにカラダのケアを必要としているかをお伝えしましたが、それでは毎日忙しい中、どのようなケアをすればよいのでしょうか。
そんな時にまずやっておきたいのは「骨盤のケア」です。
カラダの中心(骨盤)に歪みがあると、当然末端(手足)にも影響がでてしまいます。その為、骨盤をしっかり整えることで、カラダ全体が整ってくるのです。
オススメは「足組みストレッチ」。
わずか10秒あまりで骨盤のゆがみを整えることができます。
場所を選ばずいつでもどこでも簡単にできるので、毎日の生活で気づいた時にストレッチして、常に骨盤を整えておくことが可能になります。
これは産前産後の女性だけでなく全ての人に当てはまりますから、お子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで家族揃って日課にしてくださいね。
そして、妊娠中・産後の方にオススメなのは、
「骨盤底筋トレーニング」です!
妊娠中の早産・切迫早産のリスクを減らし、産後はお尻周りをスッキリさせるものなので妊娠中や産後に気になる症状を改善するのにぴったりです。
それでは実際に骨盤底筋のトレーニングをしてみましょう!
①丸めたタオルを縦に置き、その上に座ります。
②排尿を我慢したり途中で止める感覚で、5秒間下腹部に力を入れる⇔5秒力
を抜く を、5回繰り返します。
これを1日3~5回行います。
力を入れる感覚が分かりにくいという方は、実際にお手洗いで排尿時に「止めて」みて下さい。
初めのうちはなかなか途中で「止める」ことは難しいですが、毎日お手洗いに行く都度試していると、1ヶ月程で効果が実感できますよ。是非やってみてくださいね。
また、セルフストレッチでのご自身の体調管理や、ご家族の腰痛時の対応、
赤ちゃんや小さいお子さんのちょっとした不調(鼻づまり・便秘・下痢・喘息など)への対処方法を知ってもらうことで、家族揃ってカラダの不調をなくし、
笑顔になってもらおうという想いからこんなセミナーも開催しています。
カラダの不調にお困りの育児中のママさんに大変好評で、これまでに50組以上の親子にご参加頂いております。
興味のある方は是非一度ご参加ください。
いかがでしたか?カラダを整えてスッキリ気持ちよく動けるようにすることで、あなたとお子さんとの時間に笑顔が増えますように!
著者プロフィール
- 福嶋靖子
- 「家事や育児疲れで困っているママさん達の力になりたい」という想いで、自身の育児経験と整体師としてのノウハウを活かした施術やアドバイスは、ママさん達から熱い支持を受けている。2児の母。